写真家 宮崎学 gaku塾

宮崎学プロフィール

宮崎学 1949年長野県生まれ
精密機械会社の勤務を経て、独学で写真家として独立。
長野県に在住し、標高3000m級の山々に挟まれた伊那谷を拠点に、ほ乳類、猛禽類の動物写真を撮り続けている。
近年では「自然界の報道写真家」と称して独自の分野を開拓し続けている。
1978年『ふくろう』(福音館 書店)で第1回絵本にっぽん大賞
1982年『鷲と鷹』(平凡社)で日本写真協会賞新人賞
1990年『フクロウ』(平凡社)で第9回土門拳賞
1995年『死』(平凡社)で第45回 日本写真協会賞年度賞
『アニマル黙示録』(講談社)と『死』で第26回講談社出版文化賞受賞
2013年IZU PHOTO MUSEUM (静岡)にて個展 「宮崎学自然の鉛筆」
2016年カルティエ現代美術財団(パリ)に招かれグループ展 
2021年東京都写真美術館で個展

現在は、オンラインサロン「gaku塾」を中心に、情報を発信しています。

 

動物写真は現代社会に生きる人間社会を写す鏡

ボクはこれまで、撮影困難な野生動物の生態を撮影するために、自作の赤外線の特殊センサーや小型ストロボなどを組み込んだ無人の自動撮影装置を開発し、数多くの動物を写真に収めてきた。
例えば『けもの道』(共立出版・偕成社)では、野山で人間のために作られた登山道を「けもの道」として利用するニホンカモシカやリス、ノウサギ、ニホンザルなどが撮影され、人間を利用していることがわかった。しかも、食うものも食われるものも強いものも弱いものも、等しく同じ道を歩いている事実も知った。
また『フクロウ』では、夜行性のフクロウがノネズミを補食する瞬間や、樹洞で雌のフクロウが産卵し、ヒナが巣立つまでの過程を記録し、そこには、人の目では通常知ることができなかった実に多様な動物たちの生の営みが、克明に写し出された。しかも、撮影だけでなくフクロウはたくさんの言葉をつかってコミュニケーションをはかっていた。その言葉から、とりあえずは16種類の通訳までできるようになった。

ボクの半世紀近い写真家としての活動は、1960年代前後に行われた国有林、民有林の大規模な伐採事業や、高度経済成長期の山林の開発を経た自然環境の変化と、それに伴う動物の生態の変化を「シナントロープ」と大きく捉え、その時々を伝える必要に迫まれ自然界の報道写真家として思想が移行してきた。
人々が日々の報道で目にするクマやイノシシの人里への出没、シカの激増といった「獣害」と呼ばれる野生動物たちの生態は、人間による自然環境の変化がもたらした一つの「自然撹乱」と呼べる良い例といえるだろう。

ボクは、人間が動物と隔絶することでかつての関係を喪失し、動物たちが自然に残していくサインを読み取る能力の欠如に警鐘を鳴らしている。
ボクの写真は動物を被写体としながら、実は人間を見ている。現代社会に生きる人間を動物たちの視線から見つめているのである。

写真集と受賞

 

1949年 長野県生まれ
自然と人間をテーマに、社会的視点にたった「自然界の報道写真家」として活動。
1978年 『ふくろう』(福音館書店)で第1回絵本にっぽん大賞
1982年 『鷲と鷹』(平凡社)で日本写真協会新人賞
1990年 『フクロウ』(平凡社)で第9回土門拳賞
1995年 『死』(平凡社)で日本写真協会年度賞、『アニマル黙示録』(講談社)で講談社出版文化賞受賞
2011年 『死を食べる』(偕成社)が全国読書感想文コンクール対象図書に選ばれる

 

メディア出演・講演等

2020年 NHK日曜美術館・NHKワールドに出演
2019年 東京都写真美術館で個展
2013年 IZU PHOTOMUSEUM(伊豆フォトミュージアム)で個展
2016年 カルティエ現代美術財団(パリ)にてグループ展 「Le Grand Orchestre des Animaux」に参加
2008年 TBS系全国ネット/情熱大陸出演
2020年 NHKeテレ 日曜美術館出演
2021年 NHK総合 ストーリーズ出演

 

 

 

プロフィール 宮崎学と一緒に「イマドキの野生動物」を観察したり、自然を探偵してみよう!そんなことが好きな仲間が集まるオンラインサロンです。

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